デジタル庁の活動報告2023年3月
Table of Contents:
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国際的なデータ流通と利活用に向けたdfftの取り組み
1.1 データの利活用の重要性
1.2 dfftの基本的なコンセプト
1.3 国際的なデータの扱いに関する課題
1.4 dfftの具体的な施策
1.5 G7デジタル技術大臣会合での議論
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行政オンラインサービスの新たなデジタル基盤
2.1 現行の行政オンラインサービスの課題
2.2 デジタル庁の取り組み
2.3 公共サービスメッシュとは
2.4 新たな基盤による利用者中心のサービス提供
2.5 マイナンバーカードの利用シーンの拡大
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利用者視点での行政サービスの開発
3.1 利用者中心のサービス開発の必要性
3.2 マイナポータルの開発プロセス
3.3 ユーザーテストと利用者フィードバック
3.4 新しいサービスの提供と改善の取り組み
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開発体制の強化に向けた取り組み
4.1 スタートアップや中小企業との協業
4.2 内部開発の範囲の拡大
4.3 内部開発と民間出身人材の採用
国際的なデータ流通と利活用に向けたdfftの取り組み
現代のビジネスではデジタルデータの利活用が不可欠な存在となっています。将来の経済価値の大部分がデジタルデータ基盤を活用したビジネスになると言われており、国際的なデータの流通と利活用には新たなルールが必要です。しかし、現状では国ごとに異なるデータの扱いやルールが存在し、グローバルなビジネス展開やデータの活用が制約されています。
そこで、デジタル庁では国際的なデータ流通と利活用に向けた取り組みとしてdfft(データフリーフローテーション)を推進しています。dfftはデータを自由にやり取りするための国際的なルールや枠組みづくりを目指しており、プライバシーやセキュリティの確保を重視しながら、データの流通と利活用を促進することを目指しています。
1.1 データの利活用の重要性
データの利活用は現代のビジネスにおいて極めて重要な要素です。データには市場動向の分析や顧客の行動予測、効率的な業務運営の改善など様々な可能性があります。また、データの活用によって社会課題の解決や新たなビジネスモデルの創出も可能となります。データは経済の基盤となる非常に貴重な資産であり、その活用によって新たな経済価値が生まれることが期待されています。
1.2 dfftの基本的なコンセプト
dfft(データフリーフローテーション)はデータを自由に流通させることを目指す取り組みです。dfftの基本的なコンセプトは、国境を越えて自由にデータを流通させるための国際的なルールを確立することです。
しかし、データの流通と利活用にはプライバシーやセキュリティ、知的財産権などの重要な要素も考慮する必要があります。そのため、dfftではデータの流通と利活用を実現するために、プライバシーやセキュリティの確保、知的財産権の尊重など信頼性のあるルールを策定し、国ごとのルールの違いを解消しようとしています。
1.3 国際的なデータの扱いに関する課題
現在の国際的なデータの扱いにはいくつかの課題が存在しています。まず、国ごとに異なるプライバシーやセキュリティのルールが存在し、データの流通と利活用が制約されています。また、データの扱いに関するルールや制度が複雑で分かりづらく、データの利活用に関する情報の不足や不透明性も課題となっています。さらに、データの扱いに関する法律や規制が国ごとに異なるため、国境を越えてデータを流通させることが困難です。
これらの課題を解決するためには、国際的なルールや枠組みを策定し、データの流通と利活用に関する情報の共有と信頼性の確保が重要です。dfftは国際的なルールの策定に向けた取り組みであり、異なる国のルールを調整し、データの自由な流通と利活用を実現するための基盤を整備することを目指しています。
1.4 dfftの具体的な施策
dfftを実現するために、デジタル庁では様々な具体的な施策を進めています。まず、国際的なデータの扱いに関するルールの共有を促進するため、各国のデータの扱いに関するルールをまとめたデータベースや台帳の整備を検討しています。これによって国ごとのルールの見える化を図り、データの流通と利活用に関する情報を簡単に参照できる状況を作ることが目指されています。
また、データの流通と利活用を実現するための技術的な取り組みも進められています。異なる国のルールの下でプライバシーやセキュリティを守りつつ、データの移転を可能にする技術を活用し、その技術の検証を行う取り組みが想定されています。例えば、複数の国家間で規制のサンドボックスを作り、データを共有できる実証実験を行うなどの取り組みが考えられています。
1.5 G7デジタル技術大臣会合での議論
dfftの実現に向けた取り組みは国内だけでなく、国際的なレベルでも進められています。2023年4月に開催予定のG7デジタル技術大臣会合では、dfftの議論が行われ、国際的な枠組みづくりに向けた合意を目指しています。国際的な議論の場を設けることで、dfftの実現に向けた取り組みを促進し、デジタルデータの自由な流通と利活用を実現するための国際的なルールの策定につなげることが期待されています。