開発者のためのOpenAI関数呼び出しチュートリアル
Table of Contents
- はじめに
- 関数呼び出しの概要
- 関数の定義とパラメーター
- 外部ツールやAPIの呼び出し
- 構造化データの抽出
- 注意事項と制約
- デモの実行方法
- GPT 3.5およびGPT 4の新機能
- 関数呼び出しの可能性と利点
- まとめ
はじめに
OpenAIは最近、GPTモデルを利用して外部のツールやAPIを呼び出すための新しい機能である「関数呼び出し」を導入しました。この機能により、開発者はGPT4やGPT3.5に対して特定の関数を記述し、その関数を呼び出すことができます。本記事では、関数呼び出しの概要から具体的な使用方法まで、詳しく解説していきます。
関数呼び出しの概要
関数呼び出しは、GPTモデルに対して特定の関数を定義し、ユーザーの入力に応じて関数を呼び出すことができる機能です。具体的には、関数に対する引数を含むJsonオブジェクトを出力することができます。これにより、GPTと外部ツールやAPIをより信頼性の高い方法で連携させることが可能となります。また、既存のプラグインでの外部ツールの呼び出しも引き続き利用することができます。
関数の定義とパラメーター
関数呼び出しを利用するためには、まず関数の定義とパラメーターの設定が必要です。例えば、"2つの数の積を求める"という関数を定義する場合、以下のようなパラメーターを指定する必要があります。
- 関数名: "get_product"(関数名は自由に設定可能)
- 引数: "number1"と"number2"(引数のデータ型や説明も指定可能)
- 必須引数: なし(任意で引数を指定するかどうかを設定することも可能)
関数の定義とパラメーターの設定が完了したら、GPTモデルに対して関数呼び出しのリクエストを行うことができます。
外部ツールやAPIの呼び出し
関数呼び出しの主な利点の一つは、外部ツールやAPIを呼び出すことができる点です。例えば、ユーザーが「明日コーヒーを飲むかどうか確認したい」という質問を投げかけた場合、"send_email"という関数を呼び出すことでメールの送信(例:"send_email(to='STRING', body='string')")が行えます。また、"ボストンの天気はどうか"という質問に対しては、"get_current_weather"という関数を呼び出すことで天気の情報を取得できます。関数呼び出しを用いることで、様々な外部ツールやAPIを柔軟に組み合わせることが可能です。
利点:
- 外部ツールやAPIを柔軟に組み込むことができる
- 自身のビジネスロジックに合わせたカスタム関数を定義することができる
- 構造化データの抽出や名前エンティティの認識など、さまざまなユースケースに対応可能
注意事項:
- 関数呼び出しにより生じるJSONの整合性やパラメーターの誤りに注意する必要がある
- モデル側で関数呼び出しに関する意図しない情報が生成されることがあるため、注意が必要
構造化データの抽出
関数呼び出しは、テキストから構造化データを抽出するための手法としても利用できます。例えば、Wikipediaの記事内で言及されている人物の情報を抽出するために、名前エンティティの検出を行う関数を定義することができます。このように、関数呼び出しを活用することで、テキスト内の情報をターゲットに合わせたカスタム関数で抽出することが可能です。
注意事項と制約
関数呼び出しを行う際には、いくつかの注意事項と制約に留意する必要があります。まず、関数呼び出しのAPIパラメーターのドキュメントを参照し、正しい形式で関数の定義を行うことが重要です。また、JSONの整合性やパラメーターの誤りにも注意が必要です。モデルの出力が予期しない結果になることがあるため、この点に留意しながら使用することが重要です。
デモの実行方法
関数呼び出しのデモを実行するためには、OpenAIのAPIキーを取得し、該当するノートブック上で実行する必要があります。具体的な手順は以下の通りです。
- OpenAIをインストールする
- APIキーを設定する
- 関数を定義する
- 関数呼び出しのリクエストを送信する
詳細な実行方法は公式ドキュメントを参照してください。
GPT 3.5およびGPT 4の新機能
関数呼び出しに加えて、OpenAIはGPT 3.5およびGPT 4向けの新機能を導入しました。最新の16kコンテキストモデルや最適化された埋め込みモデルの利用により、モデルの性能と効率性が向上しました。
以下は、新機能の一部です。
- GPT 3.5 Turbo: より高速なレスポンスと低コストなトークンの処理
- GPT 4: 新たな機能と向上されたパフォーマンス
これにより、より強力かつ効率的な自然言語処理タスクが可能となりました。
関数呼び出しの可能性と利点
関数呼び出しは、様々な応用可能性と利点を提供しています。以下に、関数呼び出しの可能性と利点を示します。
- 外部ツールやAPIの柔軟な統合が可能
- ナチュラルランゲージをAPI呼び出しやデータベースクエリに変換できる
- APIを利用した質問応答型チャットボットの作成が可能
- テキストから構造化データの抽出が容易になる
これらの機能により、より多様な用途に対応できるようになりました。
まとめ
本記事では、OpenAIが導入した「関数呼び出し」について詳しく解説しました。関数呼び出しを利用することで、GPTモデルと外部ツールやAPIを組み合わせることができるため、より高度な処理や機能の実現が可能となります。関数の定義やパラメーターの設定方法、外部ツールやAPIの呼び出し方、構造化データの抽出手法など、具体的な使用方法も紹介しました。また、GPT 3.5およびGPT 4の新機能についても触れました。関数呼び出しは、自然言語処理の領域において大きな進歩となる機能であり、さまざまな応用が期待されています。
FAQ
Q: 関数呼び出しはどのように使われますか?
A: 関数呼び出しは、GPTモデルに対して特定の関数を定義し、ユーザーの入力に応じて関数を呼び出す機能です。これにより、外部ツールやAPIを柔軟に組み合わせた処理を行うことができます。
Q: 関数呼び出しの利点は何ですか?
A: 関数呼び出しの利点は、外部ツールやAPIを統合して機能を拡張することができる点です。また、テキストから構造化データを抽出する際にも利用することができます。
Q: 関数呼び出しの制約はありますか?
A: 関数呼び出しはJSONの整合性やパラメーターの誤りに注意が必要です。また、モデルの出力が意図しない結果になることがあるため、注意が必要です。
Q: 関数呼び出しはGPT 3.5とGPT 4で利用できますか?
A: はい、関数呼び出しはGPT 3.5とGPT 4の両方で利用することができます。
Q: 関数の定義方法を教えてください。
A: 関数の定義方法は、関数名と引数の設定を行うことで行えます。関数名は自由に指定することができ、引数のデータ型や説明も指定可能です。
参考リソース