Arm Mobile Studioの魅力を学ぶ
Table of Contents:
- はじめに
- Arm Mobile Studioとは
- Arm Mobile Studioの主な機能
- 3.1 Streamlineの活用
- 3.2 Performance Advisorの活用
- 3.3 Graphics Analyzerの活用
- 3.4 Mali Offline Compilerの活用
- 性能分析のワークフロー
- 4.1 ハイレベルサマリーの生成
- 4.2 問題の詳細な分析
- 4.3 シェーダープログラムの解析
- 4.4 月次レビューの実施
- 最適化の科学性
- 再現性のあるプレイテストの重要性
- おわりに
【モジュール3】Arm Mobile Studioでパフォーマンスを分析しよう
【モジュール3】Arm Mobile Studioでパフォーマンスを分析しよう
Arm Mobile Studioを利用してパフォーマンスを分析する方法を学びます。このセクションでは、強力な最適化プロセスを持つことの利点や、Arm Mobile Studioが既存の開発ワークフローをどのように向上させるかについて紹介します。
Arm Mobile Studioは、Androidアプリ開発者向けに特別に設計されたパフォーマンス分析ツールスイートです。このツールは、アプリケーションのパフォーマンスに影響を与える可能性がある問題を迅速に特定し、その結果としてアプリケーションの動作が遅くなる、デバイスの過熱、またはバッテリーの急速な消耗などの問題を解決するのに役立ちます。
Arm Mobile Studioの主な機能は以下の通りです:
3.1 Streamlineの活用
Streamlineは、アプリケーションのワークロードがデバイスによってどのように処理されているかを可視化するための包括的なパフォーマンスプロファイルを作成します。CPU、GPU、メモリシステムからのパフォーマンスカウンターデータを視覚的に表示することで、問題の箇所を詳細に分析することができます。
3.2 Performance Advisorの活用
Performance Advisorは、CPUまたはGPUによってアプリケーションが制約されているかどうかなど、総合的なパフォーマンスの概要を示す読みやすいレポートを提供します。また、Per-frame コンテンツメトリクスと一緒にキャプチャされたデータを表示することで、開発チームに対してアプリケーションの最適化に関する具体的なアドバイスを生成します。
3.3 Graphics Analyzerの活用
Graphics Analyzerを使用すると、問題のあるシーン中に発生したすべてのOpenGL ESまたはVulkanグラフィックスAPI呼び出しをキャプチャし、実際に何が起こったかを調査することができます。オブジェクトジオメトリと一緒にフレームバッファの出力を表示することで、各ドローコールの影響や画面上のオブジェクトのサイズや複雑さなどを評価することができます。
3.4 Mali Offline Compilerの活用
Mali Offline Compilerを使用すると、利用可能なMali GPUのいずれかでシェーダープログラムのパフォーマンスをテストすることができます。各シェーダーの処理コストの詳細な分析、レジスタとスタックの使用状況の統計情報、シェーダープロパティのヘルスチェックなどを確認することができます。
以上がArm Mobile Studioの主な機能です。次に、パフォーマンス分析のワークフローや最適化の科学性について詳しく見ていきましょう。
ワークフローは、ハイレベルサマリーの生成、問題の詳細な分析、シェーダープログラムの解析、月次レビューの実施というステップで進められます。ハイレベルサマリーでは、FPSの目標を満たしているかどうかや、ゲームのどの部分がCPUまたはGPUで制約されているかなどを素早く把握することができます。さらに、問題が明らかにならない場合やさらなる調査が必要な場合は、StreamlineプロファイラやGraphics Analyzer、Mali Offline Compilerを使用して詳細な分析を行います。
最適化は科学的な手法を用いることが重要であり、再現性のあるプレイテストを行うことで同じコンテンツを複数回比較することが可能です。このような手法を用いることで、パフォーマンスの変化を追跡しやすくなります。
Arm Mobile Studioは、無料で利用できるStarter Editionと、プロフェッショナルエディションの2種類があります。プロフェッショナルエディションでは、連続的な統合ワークフローにツールを組み込むことができます。さらに、開発チームが毎朝評価できるように、JSON形式のデータをデータベースと可視化プラットフォームにエクスポートすることもできます。
最後に、開発サイクルの途中でのパフォーマンスの監視や問題の報告は重要です。Arm Mobile Studioを利用することで、継続的なパフォーマンス分析や自動化が容易になります。
以上がArm Mobile Studioでのパフォーマンス分析の概要です。次のセクションでは、具体的なツールの使い方について詳しく見ていきます。