Ryzen Masterユーティリティで解説するメモリタイミング
目次
- メモリチューニングの概要
- メモリのオーバークロック
- 2.1 メモリの電圧制御
- 2.2 プライマリタイミング
- 2.3 セカンダリタイミング
- 2.4 その他のタイミング
- Ryzen DRAM Calculatorの使用方法
- BIOSでのXMPプロファイルの有効化
- プライマリタイミングの調整方法
- 5.1 CASレイテンシ
- 5.2 RAS to CASディレイ
- 5.3 リードディレイ
- 5.4 リフレッシュサイクルタイム
- セカンダリタイミングの調整方法
- 6.1 トライトラピー
- 6.2 サイクルタイム
- 6.3 アクティブ時間
- 6.4 ライトレイテンシ
- 6.5 サイクルイベント
- その他のタイミングの調整方法
- 7.1 トータルアクティベーションディレイ
- 7.2 トータルレフレッシュサイクル
- 7.3 アクティベートウィンドウ
- 7.4 リードディレイ
- 7.5 ライトトゥリードディレイ
- 7.6 クロックイネーブルタイム
- メモリチューニングの注意事項
- メモリチューニングの利点と欠点
- 結論
メモリチューニングの概要
メモリチューニングは、システムのパフォーマンスを最大化するために行われる重要なステップです。この記事では、メモリチューニングの基本概念について説明します。また、Ryzenプロセッサの場合、メモリオーバークロックについても詳しく説明します。
メモリのオーバークロック
メモリのオーバークロックは、メモリの動作クロックを基本設定よりも高く設定することで、パフォーマンスを向上させる方法です。メモリのオーバークロックを行うためには、いくつかのタイミング設定を調整する必要があります。
メモリの電圧制御
メモリの電圧制御は、メモリモジュールに供給される電圧を設定するための設定です。一般的に、メモリモジュールは1.35ボルトで動作することが多いですが、一部のキットは1.5ボルトまで動作可能です。
プライマリタイミング
プライマリタイミングは、メモリの読み書きに関連する基本的なタイミング設定です。以下のタイミング設定を調整することで、メモリのパフォーマンスを最適化することができます。
1. CASレイテンシ
CASレイテンシは、メモリモジュールのデータアクセスの遅延時間を表します。この値が低いほど、データのアクセス速度が向上します。
2. RAS to CASディレイ
RAS to CASディレイは、行アクセスと列アクセスの間の遅延時間を表します。この値も低いほど、データの転送速度が向上します。
3. リードディレイ
リードディレイは、読み取り操作時の遅延時間を表します。この値も低いほど、読み取り速度が向上します。
4. リフレッシュサイクルタイム
リフレッシュサイクルタイムは、メモリのデータ更新間隔を表します。この値を適切に設定することで、データの安定性を確保することができます。
セカンダリタイミング
セカンダリタイミングは、メモリの読み書きに関連するその他のタイミング設定です。以下のタイミング設定を調整することで、メモリのパフォーマンスを最適化することができます。
1. トライトラピー
トライトラピーは、行のアクティベーションとプリチャージの間の遅延時間を表します。この値も低いほど、データの転送速度が向上します。
2. サイクルタイム
サイクルタイムは、メモリバンクへのアクセスコマンド間の最小待機時間を表します。この値も低いほど、データの転送速度が向上します。
3. アクティブ時間
アクティブ時間は、行アクティベーションからプリチャージまでの最小待機時間を表します。この値も低いほど、データの転送速度が向上します。
4. ライトレイテンシ
ライトレイテンシは、書き込みコマンドの実行遅延時間を表します。この値も低いほど、書き込み速度が向上します。
5. サイクルイベント
サイクルイベントは、メモリバンクへのアクティベーションコマンド間の最小待機時間を表します。この値も低いほど、データの転送速度が向上します。
その他のタイミング
その他のタイミングにはさまざまな設定がありますが、独自の基準によって調整する必要があります。注意点や利点、欠点についても考慮して設定することが重要です。
以上がメモリチューニングの概要です。具体的な設定方法については、次のセクションで詳しく説明します。