第3世代Xeon ScalableとPMEM 200のパフォーマンス改善

テーブルオブコンテンツ：

1. イントロダクション
2. ストレージメディアの制約
3. レガシーソフトウェアの制約
4. Intel Optane Persistent Memory 200シリーズの特徴
5. パフォーマンスの改善に寄与する要素
6. 基準となるベンチマークテスト
7. 第2世代と第3世代Intel Xeon Scalableプロセッサの比較パフォーマンス
8. デモ結果の分析
9. 結論
10. FAQ

イントロダクション

総合エンジニアリングマネージャーであるKelsey Prantis氏が、今回はインテルのDeOS（Development Organization）についてのパフォーマンスについて共有するために登壇しました。DeOSは、インテルの最新世代のXeon ScalableプロセッサやIntel Optane Persistent Memory 200シリーズで実行されるソフトウェアスタックのパフォーマンスに焦点を当てています。

ストレージメディアの制約

数年前、インテルのHPCチームはLustreのスケーラビリティに関する課題に取り組み始めました。ストレージメディアの進化により、SSDテクノロジーの普及による制約は、ストレージメディア自体の技術よりも、ファイルシステムソフトウェアスタックから主に生じていました。従来のストレージソフトウェアスタックの基本的な制約は、より高速な非揮発性メモリ技術が市場に登場したときにさらに顕著になりました。

レガシーソフトウェアの制約

遺産のストレージソフトウェアスタックにはいくつかのボトルネックがありましたが、最も顕著なものは、POSIXインターフェースとブロックベースのI/Oです。データの整合性を保証するために、POSIXインターフェースの定義では悲観的なロックが必要ですが、数万ものクライアントが同じファイルに書き込んでいる場合、実際には競合が発生しない場合でも、ロックが必要になり、シリアライゼーションの量が増えます。この悲観的なアプローチはスケーラブルではありませんので、将来のスケーラビリティを考慮して他の方法を検討する必要がありました。DeOSは、楽観的な並行制御を利用するためにデータベース領域からの技術を借用しており、これにより大量のロックが不要になり、より高いパフォーマンスを実現しています。

Intel Optane Persistent Memory 200シリーズの特徴

Intel Optane Persistent Memoryは、DeOSが構築する基本的な技術です。DeOSは、パフォーマンス重視のために、パーシステントメモリとNVMe SSDを組み合わせて使用し、PMDKとSPDKユーザースペースライブラリを介して直接メディアにアクセスするように設計された高効率なソフトウェアスタックを提供しています。また、RDMA対応のファブリック上に豊富な機能を備えたものでもあります。Intel Optane Persistent Memoryは、低遅延かつ粒度の高いアクセスを提供するため、アプリケーションはブロックによるロックが必要なく、データの小さなピースに並行してアクセスできるようになりました。DeOSは、これを活用するために、パーシステントメモリにメタデータと小さなI/Oの2つの異なるタイプのデータを格納しています。

パフォーマンスの改善に寄与する要素

Intel Optane Persistent Memory 200シリーズには、パフォーマンスの改善をもたらすいくつかの重要な特徴があります。まず、第3世代Intel Xeon Scalableプロセッサに基づく新しいサーバープラットフォームの設計は、6つのメモリチャネルではなく、8つのメモリチャネルを提供することで、全体的なメモリ帯域幅を大幅に向上させます。また、Pmemモジュールの設計にもいくつかの改善があり、DeOSのパフォーマンスに寄与しています。最も大きな改善は、モジュールの速度の向上であり、以前の世代からのメガトランスファー数が2606から3200に増加しています。さらに、過去にはデータをプロセッサのキャッシュからフラッシュする必要がありましたが、新しいプラットフォームレベルの機能であるeadrが追加されました。eadrをサポートするプラットフォームでは、プロセッサのキャッシュからデータをフラッシュするためのエネルギーストアが必要です。この機能により、PMDKを介してDeOSは同期ポイントを削除し、より多くのIOPSを提供することができます。

基準となるベンチマークテスト

パフォーマンス分析には、メタデータパフォーマンスや全体的なスケーラビリティなど、ストレージのさまざまな側面をストレステストするためのツールがあります。I/O 500ストレージ性能リストでは、mdtestとiorという2つのベンチマークがよく使用されます。mdtestはメタデータパフォーマンスをストレステストするために設計されており、一度に多くのファイルを並列に開いたり読み書きしたりするなど、パラレルなアクセスが一般的です。iorは、多くのクライアントを使用して複数のファイルへの読み書きを同時に行うI/O操作のスループットパフォーマンスを測定します。これらのベンチマークは、DeOSのパフォーマンス分析において非常に重要であり、業界で認識されている明確なガイドラインを提供しています。

第2世代と第3世代Intel Xeon Scalableプロセッサの比較パフォーマンス

第2世代Intel Xeon ScalableアーキテクチャをベースにしたDeOSインスタンスと、第3世代Intel Xeon Scalableプロセッサを搭載したIntel Optane PM100シリーズとPM200シリーズのパフォーマンスを比較しました。新しいシステム設計では、1つのDeOSサーバーと2つの計算サーバーを使用し、各システムはデュアルソケットで完全にポピュレートされ、PMemが搭載され、200ギガビットのInfiniBandファブリックを備えています。第3世代CPUは36コアを備えていますが、第2世代は24コアです。デモでは、IOR Easy、IOR Hard、MD Testの3つのベンチマークをループさせて実行しました。

デモ結果の分析

IOR Easyの結果では、小さなI/Oサイズ（64キロバイト）で高いスループットを提供できることがわかります。ランダムライトでは、第3世代CPUsのメモリチャネル数の増加とPMem 200シリーズの高い帯域幅により、性能向上が見られます。一方、読み取りでは、第3世代CPUのPCIe Gen 4サポートにより、200ギガビットファブリックをフルに利用できるため、性能の向上が見られます。全体的に、第3世代プラットフォームは、第2世代プラットフォームに比べて50％のパフォーマンス向上を実現しています。

IOR Hardの結果では、ハードワークロードでも類似のパフォーマンスが実現できることがわかります。DeOSによって、ハードとイージーのワークロード間のパフォーマンス低下が10％未満に抑えられています。

最後に、MD Testの結果を見てみましょう。第3世代プラットフォームでは、シングルサーバーと2つのクライアントだけで、100万ファイルの作成率と170万ファイルのステート率を実現できます。

結論

第3世代のIntel Xeon ScalableプロセッサとIntel Optane Persistent Memory 200シリーズによるパフォーマンス向上により、DeOSは従来よりも高いパフォーマンスを実現できるようになりました。第3世代プロセッサによる高いコア数と、デュアルソケットのシステム構成によって、DeOSのパフォーマンスは大幅に向上し、ハードワークロードとイージーワークロードの性能差がわずかになりました。

FAQ

Q: Intel Optane Persistent Memory 200シリーズはどのような特徴を持っていますか？ A: Intel Optane Persistent Memory 200シリーズは、低遅延かつ粒度の高いアクセスを提供し、データの小さなピースに並行してアクセスできるようになっています。また、高いメモリ帯域幅とPCIe Gen 4サポートにより、パフォーマンスの向上が実現されています。

Q: デモ結果によると、第3世代プラットフォームはどのような改善をもたらしていますか？ A: 第3世代プラットフォームでは、第2世代プラットフォームに比べてパフォーマンスが50％向上しています。特にメモリチャネルの増加やPCIe Gen 4サポートにより、デモ結果は高いスループットを示しています。

Q: DeOSのパフォーマンスはどのように測定されましたか？ A: DeOSのパフォーマンスは、mdtestとiorという2つのベンチマークテストを使用して測定されました。これらのテストは、ストレージシステムのさまざまな側面をストレステストするための業界で認識されたツールです。